ご挨拶

令和6年12月3日



 

2024年12月

石川勝利
2024年12月3日にブリスベン総領事として着任しました

 

このたび、2024年12月3日にブリスベン総領事として着任しました石川勝利(いしかわ・かつとし)と申します。どうぞよろしくお願いいたします。

日本とオーストラリア、そして日本とクイーンズランド州の強固な関係は、在住者ならびにこれまでその関係に携わってきてくださった多くの方々や企業、団体の長きにわたる努力に支えられて発展を遂げてきたものであると思います。それら関係者の皆様に、心からの敬意と感謝を申し上げます。

私がブリスベンへ赴任することが決まった2024年10月下旬、ここクイーンズランド州では州議会選挙が実施され、9年ぶりに政権が交代、クリサフリ新首相のもとで新たな政権運営が開始されました。このような節目の時期に、ここクイーンズランド州と日本の関係発展のために勤務する機会に恵まれ、大変光栄に感じています。

日本人にとり、クイーンズランド州はケアンズやゴールドコーストといったビーチリゾート、グレートバリアリーフなどの世界遺産で有名な地域です。私もまた、そのような認識や印象をもっていました。特に、静岡県浜松市の、太平洋を臨む遠州灘の砂浜で育った私は、小中学生時代、海の向こうの遙か彼方にあるオーストラリア(クイーンズランド州)のことを想像しながら、いつか行ってみたいと夢を膨らませていました。

そのようなクイーンズランド州はまた、観光地としてのみならず、日本とは歴史的にもゆかりの深い重要な地域であり、19世紀以降、多数の日本人が北部クイーンズランドを中心に移住し、豪州において最初の日本領事館が置かれた地でもあることを、赴任を機に学ばせていただきました。さらに、多くの石炭、牛肉や砂糖を輸入するなど、クイーンズランド州は日本にとってエネルギーや食料の信頼できる供給元として重要なパートナーとなっていますし、近年では、再生可能エネルギーの利用や水素製造など、日本とクイーンズランド州が新たな分野で協力し、その関係がさらに深化することが期待されています。

この挨拶文を読んでいただいている皆様はすでによくご承知のとおり、日豪関係は、近年、二国関係での結びつきのみならず、自由や民主主義、法の支配といった基本的価値観を共有する日米豪印の4か国の枠組み(クアッド)でも連携を強めています。特にここクイーンズランド州においては、米豪両軍が2年に1度行っている豪州最大といわれる大規模な合同軍事演習(タリスマン・セイバー)に、我が国自衛隊が2015年以来参加しており、安全保障上でも重要な地域となっています。

2025年に開催される大阪・関西万博では、クイーンズランド州政府は豪州パピリオンにおけるゴールド・パートナーとして参加予定です。また、ブリスベンは2032年のオリンピック・パラリンピックの開催地となっており、スポーツの分野でも今後益々日本との交流の機会が増えると期待しています。

このように、日本とクイーンズランド州は、人的・文化的な交流を含め、将来に向けても素晴らしい発展の潜在力を有していると考えます。日本とクイーンズランド州が、さらにその理想的な関係を発展させ、他の関係の模範となっていくことを心より願いつつ、自らもそのために努力していきたいと思います。

末尾になりましたが、クイーンズランド州に暮らす約3万人の在留邦人の皆様、そして旅行、留学、ビジネス等で当地を訪問される皆様の安全と安心を確保することが、総領事館の最優先事項です。

当館としては、皆様からの率直なご意見を伺いながら、皆様の安心と安全、そして利便性のある領事サービスの不断の向上に努めてまいりたいと思いますので、お気づきの点、当館としてお役に立てそうなこと等がありましたら、いつでもお気軽にご相談いただければ幸いです。



在ブリスベン日本国総領事
石川勝利

 

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