二国間関係 ー クイ-ンズランド州概要

令和5年6月6日

クイ-ンズランド州概要

1 面積 172万7000平方Km (豪州全体の22.5%、日本の約5倍)
2 人口 (2022年6月時点)
      クイーンズランド州 532.2万人 
           ブリスベン都市圏 262.8万人(ブリスベン市(128.5万人)、ローガン、イプスウィッチ、レットランド及びモートンベイ)
           ゴ-ルドコ-スト 64.8万人
           タウンズビル 19.9万人
           ケアンズ 17.2万人 
        出典:オーストラリア統計局
3 州都 ブリスベン
4 人種  伝統的にアングロサクソン系等欧州系が中心であるが、近年アジア系が増加しつつある。
5 言語 英語
6 宗教 キリスト教(アングリカン(英国国教系)が最も多い)
7 略史
           1606年 ウイリアム・ヤンツ(オランダ人)がヨーク岬に来航
           1770年 ジェイムズ・クック(イギリス人)大陸東岸に上陸
           1823年 ニューサウスウェールズ植民地ブリスベン総督の命を受けジョン・オックスリーがブリスベンに上陸、拠点を築く
           1859年 (ニューサウスウェールズから分離独立し)クイーンズランド植民地政府開設。ブリスベン州都に。(同6月6日は「クイーンズランドの日」として祝われている(ただし、休日ではない。))
 

政治体制・内政

        州総督(国王の名代)と州議会があり、クイーンズランド州政府は、日本と同様に議院内閣制。閣僚ポストは18。
1 州議会
(1)一院制:定数93 議席、任期4年(次期選挙より4年に移行)
(2)勢力分野(2020年10月31日投票の前回選挙結果):
           労働党     52 議席
           自由国民党      34 議席
           カッターのオーストラリア党  3 議席
           緑の党 2議席
           ポーリン・ハンソンのワンネイション党 1議席
           無所属  1 議席
3 州政府
(1)総督 ジャネット・ヤング(2021年11月1日就任)
(2)首相 アナスタシヤ・パラシェ
 

経済

1 経済概況
     石炭を主とする鉱業、住宅・オフィスビルの建設業、牛肉・さとうきび・綿花等の一次産業、観光業、教育産業が州の主要産業である。
     州の基幹産業である石炭開発については、1960年代以降日本企業(商社中心)の進出がクイーンズランド州の鉱山開発・インフラ整備に大きく貢献した。現在、生産量の約8割以上は輸出向けで、そのうちの約2割は日本向けとなっている。また、グラッドストンを拠点とする天然ガス開発は、石炭開発と並ぶ州の主要産業である。近年では、日本企業による再生可能エネルギー由来のグリーン水素やグリーンアンモニアの生産関連プロジェクトが積極的に進められている。
     また、さとうきびの生産量は全オーストラリアの90%以上を占める。
     なお、1980年代後半~1990年代にかけ、我が国から不動産、観光部門への投資がなされ、観光インフラ整備に貢献した。 州全体が熱帯及び亜熱帯に属し、気候に恵まれていることや(俗称:サンシャイン・ステート)、5つの世界遺産を有する等観光資源が豊富であることもあり、北部のケアンズ及び海外全長約2,000kmにわたって連なるグレートバリアリーフ周辺、南部のゴールドコーストを中心に、ホテル、ゴルフ場、不動産といった観光産業への投資がなされている。
2 主要産業 ・・・ 鉱業、農畜産業、観光業
3 GSP(Gross State Product、州内総生産) ・・・3,845億豪ドル (2021/2022年度)
4 一人当りGSP ・・・ 73,030豪ドル (2021/2022年度)
5 経済成長率 ・・・ 4.4% (2021/2022年度)
6 物価上昇率(ブリスベン) ・・・ 5.3% (2021年2月)
7 失業率 ・・・ 4.6% (2021/2022年度)
8 総貿易額 ・・・ 1,818億豪ドル (2021/2022年度)
     輸出 ・・・ 1,200.0億豪ドル
     輸入 ・・・ 618.2億豪ドル
9 主な貿易相手国(2021/2022年度)
     貿易全体:中国(17.16%)、日本(14.98%)、韓国(13.19%)
     輸出:日本(18.21%)、インド(16.98%)、韓国(14.96%)
     輸入:中国(23.33%)、米国(10.34%)、韓国(9.75%)、日本(8.72%)

※豪州の会計年度は7月1日から翌年6月30日まで。2021/2022年度は、2021年7月1日から2022年6月30日まで。


出典:3~4オーストラリア統計局、5及び7は2022/23年度クイーンズランド州予算アップデート、6及び8~9はQueensland Government Statistician’s Office

日本との関係

     1874年に、日本から豪州への最初の移民が渡来し、クイーンズランド州北部で真珠貝採取や砂糖栽培に従事した記録が残っており、日本とクイーンズランド州との関係は、豪州の中で最も古い(注:当州最北端トレス海峡に位置する木曜島には、真珠貝採取に従事した日本人約700名の墓地がある)。
     シドニーに領事館が開設される前年の1896年(明治29年)には、豪州で初めての我が国の領事館が、州北部の中心都市であるタウンズビルに開設され1908年まで存在した。戦後、1966年(昭和41年)にブリスベンに領事館が開設され、1972年(昭和42年)に総領事館に昇格した。また、1997年に、ケアンズに領事事務所が開設された。
     日本は、クイーンズランド州にとって、貿易、投資、観光を中心とするに最大のパ-トナ-であり、緊密な関係にある。
1 貿易額 ・・・ 272.4億豪ドル(2021/2022年度、出典:オーストラリア統計局)
        (1)対日輸出 ・・・ 218.5億豪ドル
        (2)対日輸入 ・・・ 53.9億豪ドル
2 対日貿易品目(2021/2022年度)
        ※括弧内の数値はクイーンズランド州の対日貿易総額における比率
        (1)輸出:石炭(72.5%)、食肉製品(7.3%)
        (2)輸入:自動車(55.3%)、石油製品等(18.0%)
3 観光客数 ・・・ 約28,000人(全豪約74,000人)(2022年)
4 文化関係
     友好団体、姉妹都市等を中心として、文化・経済・教育・スポーツなど多岐にわたる分野で草の根レベルの交流が盛んに行われている。日本語学習者数は豪州内で最も多く、日本語学習熱は高い。
(1)日本語学習者数 : 約15.6万人(全豪で41.5万人の37%を占める。(2021年)
(2)姉妹・友好都市や国際交流等(全30組:締結順)は次のとおり(一般財団法人自治体国際化協会(クレア)及び当館調べ)。また、一部は双方の行政区域合併等もあり、現在の関係を記載。

 
ケアンズ市 美波町 (徳島県) (69年4月)
ロックハンプトン市 指宿市 (鹿児島県) (80年11月)
クイ-ンズランド州 埼玉県 (84年10月)
ブリスベン市 神戸市 (兵庫県) (85年7月)
クイ-ンズランド州 大阪府 (88年5月)
マッカイ市 松浦市 (長崎県) (89年7月)
ゴールドコースト海岸 相模湾沿岸 ※海岸と海岸の友好交流)(90年8月)
タウンズビル市 周南市 (山口県) (90年9月)
タウンズビル市 いわき市(福島県) (91年8月)
トゥ-ンバ市 高槻市 (大阪府) (91年11月)
モートンベイ市 山陽小野田市(山口県)(92年8月)
ブリスベン港 大分港 ※姉妹港 (大分県) (94年4月)
フレーザーコースト市 大月市 (山梨県) (94年7月)
イプスウィッチ市 練馬区 (東京都) (94年10月)
ロ-ガン市 枚方市 (大阪府) (95年3月)
ゴ-ルドコ-スト市 鷹栖町 (北海道) (95年11月)
ロ-ガン市 渋川市 (群馬県) (96年4月)
サンシャインコースト市 館林市 (群馬県) (96年7月)
グラッドストン市 佐伯市 (大分県) (96年9月)
クイーンズランド州 愛媛県 ※経済協定 (97年11月)
ブリスベン市 習志野市(千葉県) ※湿地協定(98年2月)
バンダバーグ市 摂津市 (大阪府) (98年11月)
サンシャインコースト市 日出町 (大分県) (01年4月)
サザンダウンズ市 紫波町 (岩手県) (05年6月)
ケアンズ市 小山市 (栃木県) (06年5月)
セントラルハイランズ市 一関市 (岩手県) (11年11月)
トレス市 串本町 (和歌山県) (11年12月)
ロッキャーバレー市 上尾市 (埼玉県) (14年7月)
フレーザーコースト市 春日部市(埼玉県) (14年9月)
レッドランド市 可児市 (岐阜県) ※教育文化交流協定(15年11月)

出典:1及び2オーストラリア統計局、3クイーンズランド州観光イベント局、4国際交流基金